29日の立川競輪11Rで争われた「ガールズグランプリ2023」は人気を集めた佐藤水菜(25=神奈川)が4回目の挑戦で初優勝。賞金1330万円(副賞含む)を獲得した。今年からGⅠが新設され「GP」に格付けされたガールズケイリンの総決戦で圧勝。来年に迫ったパリ五輪でメダル獲得が期待される自転車短距離界の女子エースがスピードの違いを見せつけた。2着は佐藤と同じくナショナルチームで活動する梅川風子、3着は児玉碧衣で2車単❶―❸は1番人気での決着だった。
頂上決戦でぶっちぎりのワンマンショー。佐藤が男子顔負けの上がり11秒5の驚速捲りで2着に4車身差をつける完勝だ。初の賞金女王に君臨し名実ともに最強を証明した佐藤は「グランプリというタイトルは自分の現役中に獲れないと正直、思っていた。だからこそ今年は攻める気持ちでゴール前に差されるか差されないかという勝負ができればと考えを変えていた」。感情が豊かな25歳はゴール後に何度もガッツポーズを繰り返し勝利の余韻に浸った。
レース運びは文句なし。道中3番手を確保するとライバルたちは〝ヘビににらまれたカエル〟状態だ。「中団は大理想。むしろこの位置に私がいていいのかな?というくらい、いい位置にいられた」。バック過ぎからエンジン全開で「後ろをけん制して、自分の位置を守りながら最善のポイントで行けた」。強烈なインパクトを残してVゴールを駆け抜けた。
来年はパリ五輪出場、そしてメダル獲得を目指す一年が始まる。「世界との差はまだまだ。高い壁があって、スプリントでは自分より年下の子が10秒2をマークしている。そこにいち早くコンマ1秒でも縮めて、パリ五輪へ向かうまでの3つの大会で金メダルを3回獲れたら」と青写真を描く。「オリンピックで金メダルを獲ってガールズケイリンに胸を張って帰ってきたい」。手に入れた最高に光り輝く〝金メダル〟を胸に世界の舞台へと羽ばたく。
◇佐藤 水菜(さとう・みな)1998年(平10)12月7日生まれ、神奈川県茅ケ崎市出身の25歳。県立茅ケ崎高卒。通算成績は276戦196勝。通算取得賞金は8623万円。主な優勝はガールズコレクション京王閣(21年)、ガールズアルテミス賞(21年)、ガールズフェスティバル(22年)、ガールズドリーム(22年)、ガールズコレクション別府(23年)。第1回オールガールズクラシック(23年)、ガールズグランプリ(23年)。1㍍63、59㌔。血液型A。